「数学的対象そのものよりも、ほかの対象との相互関係に注目する」という考え方は、現代数学において重要であり、圏論はこの視点から学ぶための枠組みを与えるものである。
本書では、圏論的アプローチを用いて、位相空間論をはじめとするトポロジーについて説き明かす。特に、普遍的性質を強調した位相的構成、ホモトピー、フィルターによる収束の扱い、極限、余極限、随伴に重点を置いている。
本書を読むことにより、ひと味違った理解ができるとともに、圏の威力や汎用性を感じることもできるだろう。
現代数学の基盤へとつながる、ユニークな一冊である。
[原著]Topology: A Categorical Approach(The MIT Press, 2020)