自然界から学び,ものづくりに役立てる.これからのエンジニアリングに欠かせない「自己組織化」の理論と応用を学ぶのに最適な一冊!
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“細胞のように小さくて精巧な機械を,私たち自身の手でつくれたとしたらどうだろう?”
生物の精巧さに心を打たれ,ナノテクノロジーの未来を構想したリチャード・ファインマン博士.そんな彼の夢を実現する鍵として注目されているのが,物が自ら構造をつくり出す現象,すなわち「自己組織化」の研究だ.水面に浮かぶ泡の集合や石けん膜の形成,タンパク質の折りたたみやウイルスの構造形成など,自然界のあらゆる場面にみられる自己組織化だが,それらの現象に共通する要素とはなんだろうか? どうすればそれをものづくりに生かせるだろうか?
本書では,数々の自己組織化現象とその工学応用の事例を紹介.自宅のキッチンで手軽に実験できるような例から,人工結晶,3次元電気回路,ナノワイヤ,DNAオリガミ,DNAによるコンピューティング,ナノトランジスタといった先端的な応用事例までを取り上げ,数学的なモデル化の試みも平易に解説する.
ますます発展を遂げる自己組織化の科学と工学の全体像がこの一冊に.自然を観察することの面白さ,ものをつくることの楽しさに溢れた,本格的入門書!