「モデルベース深層学習」は、アルゴリズムの性能を改善する技術として、無線通信や微分方程式モデリングの分野において注目されています。この技術は、推論器を構成するという観点から見た微分可能プログラミングともいえます。
従来の深層ニューラルネットワークに基づくアプローチと比べて少量のデータからの学習が可能、分野固有の知識を有効に活用できる、高い解釈可能性をもつ、といった長所があり、その応用分野は信号処理、画像処理、最適化、制御系などにも広がっています。
本書はモデルベース深層学習と、それを反復アルゴリズムに適用した「深層展開」について、考え方と技法を詳しく解説。読者のバックグラウンドによらずスムーズに入門できるよう、深層学習のまとめから始めています。
また、Julia言語による参考コードを示し、技法を体感しながら読み進められるよう配慮しています。さらに、幅広い研究に役立つよう、アルゴリズム設計の考え方や多数の応用事例を紹介しています。