~その計算、自作クラスタで回してみませんか?~
並列計算環境を「安く」「手早く」「自分で」作るための、明るく楽しい指南書です。
◆単体PCより速い! スパコンより便利!
「単体PCでは厳しいけど、かといってスパコンを申請利用するのは面倒だし待ち時間も多い……」。科学計算や産業用シミュレーションを行う現場からは、そんな悩みが聞こえてきます。近年は並列化バージョンが標準搭載されているシミュレーションソフトも多く、「自由に使える並列計算機が身近にあれば……」という状況も少なくありません。
そんなときに検討すべきなのが、並列計算用PCクラスタの「自作」です。やり方さえ知っていれば、使い勝手のよいクラスタ機は「誰でも」「低予算で」作ることができるのです。
本書では、ノードとなるPCを組み立て、Linux環境でセットアップし、並列計算をノード内・ノード間で回すまでの手順を丁寧に解説。セットアップに必要なファイルをサポートページで適宜配布し、並列計算の環境構築の「最短ルート」を示します。
◆PC自作の経験がなくても大丈夫!
著者自身、もともと20代半ばまでブラインドタッチもできない「コンピュータ嫌いの理学系研究者」でしたが、心機一転、サーバ構築・管理法を自力で体得。今では大学生や高校生を相手にPCクラスタ構築を指導し、自作できる人材の育成に力を入れています。そこで蓄積された教授法をもとに、本書でも「筋金入りの初学者目線」で紐解きます。
~本書の内容の一部~
- 大型共用マシン(スパコン)よりも、自作サーバが推奨される場面とは?
- どんなパーツを買い、どう組み立てる?
- 並列クラスタ構築・運用に最低限必要なLinuxコマンドは?
- モンテカルロ計算(コードはサポートページで配布)を回して、並列化の効果を確認しよう!
- クラスタ機として使うための、ファイルサーバの構築法は?
- 自作クラスタの効率的管理のコツとは?