大学1年生程度の知識で読める、特殊/一般相対論の入門書。
大学の理工系学部の1年生が学ぶ微積分と線型代数の知識だけを仮定して(そして物理の知識はほとんど仮定しないで)、曲線と曲面の微分幾何を経由し、特殊相対論と一般相対論が解説されています。
著者による数学科向けの講義がもとになっていますが、数学的に抽象化された内容ではなく、物理としての相対論を、数学スタイルのギャップの小さい記述で、物理の暗黙の了解をなるべく使わずに展開しています。
そして、マイケルソン・モーレーの実験や水星の近日点移動などの物理的帰結も無理なく導き出されています。
相対論はもちろん、曲線と曲面の微分幾何のテキストとしても使えます。
また、物理をバックグラウンドとする方にも、ふだんと異なる視点から、あるいは数学的道具立てを整理しつつ学ぶのにおすすめの1冊です。