「授業で習う線形代数」から「工学・統計学で用いる線形代数」への扉を開く一冊.
通常,線形代数の授業では,行列の計算といった基礎事項から,線形写像などの抽象的な内容へと進んでいきます.しかしながら,工学や統計学などの応用分野では,大量の数値データを計算機で分析するために,授業では学ばない手法を用いる場面が多くなっています.
たとえば,計算機を使って方程式を解いたり固有値を求めるような場合,行列を扱いやすい形にしたり,擬似的な逆行列を考えるといった方法をとります.そこで用いるのが,ギブンス行列やハウスホルダー行列を使ったQR分解,ヘッセンベルク化,3重対角化や,特異値分解,一般逆行列です.本書では,基礎事項の復習から始め,これらの概念を丁寧にわかりやすく解説します.
また,具体的な問題と詳細な解答が用意されており,自分の手で計算しながら学ぶことができます.