アメリカの物理学者ヘステネスを中心に提唱された「幾何学的代数」(geometric algebra) は,幾何学に古典的な代数系を対応させる手法であり,現在,物理学や工学のさまざまな分野で関心が寄せられている.
本書は,この幾何学的代数の和書初となる入門書である.まず,背景をなすハミルトン代数,グラスマン代数,クリフォード代数を初歩からていねいに解説しているため,初学者でも自然に幾何学的代数の考え方を学ぶことができる.また,現代数学とのつながりも随所に見せることで,より深い理解が得られるようになっている.