

弊社は、いわゆる出版業界の中でも「専門書」といわれるカテゴリーだけを出版し、その中でも理工学系に特化しています。書籍を読者に提供するうえで、何より大切にしているのは、「クオリティ」を重視すること。読者の立場にたち、じっくりと時間をかけて、質の良い本をつくり上げることに集中しています。
社内には、私自身を含めて理系出身の社員が数多く勤務しています。博士や修士の学位を取得している者も多く、これは専門書を扱う出版社の中でもめずらしいことです。彼らの存在がもたらすメリットは、経営の方針から編集の細部にまで、専門知識を持った作り手として、あるいはユーザーとしての視点を活かせるということ。それが弊社の強みであり、クオリティ向上に結びつく力であると考えています。
理系出身者のキャリアは、編集作業はもとより、企画や営業活動にも活かされています。たとえば、弊社では若い著者を開拓して積極的にトライしますが、この出版で判断のよりどころとなるのは、主に彼らの意見です。
このように、皆さんが大学で学んだ考え方、ものの見方を、最大限に活かせる環境であると思います。


最近は、転職をくり返してキャリアアップするという考え方もありますが、弊社では、長く勤めるという気持ちがある方を採用したいと考えます。弊社はいわゆる製造部門を持っていません。会社全体が、一般製造業でいう企画、開発、設計、生産管理のような部署だけで構成されています。人の体でいえば、脳だけです。したがって、正社員には何らかのエキスパートになってもらう必要があり、終身雇用を前提として採用しています。これは、男女関わらず同じ方針です。現在、平均年齢は男40歳、女39歳でほぼ変わりありません。
社員の待遇は、それぞれの評価に応じて1年ごとに改定されます。評価のしくみは、いわゆる成果主義とは趣の異なる、弊社独自のものです。安定した終身雇用であっても、年齢や経験年数で待遇が決まるのではなく、個人の実力や貢献をきちんと評価するよう心がけています。
このような雇用形態を採用した理由は、社員を社内でじっくりと育てていきたい、という気持ちがあるからです。時間をかけて育てながら、実力があれば、たとえ若くてもチャンスを与える、それが弊社の責任であると考えます。



これからも「質」にこだわり続けていくこと。現在、インターネットなどの情報源が増えていることで専門書の役割は変わってきており、これまで以上に情報のクオリティが大切になってきます。環境の変化に適応し、本の優れた部分をいかした情報提供をしたいと思います。
将来、ひょっとすると情報を提供する形は紙ではなくなるかもしれません。そのような状況でも、情報提供者としてのわれわれの存在意義は変わりません。自分たちの役割を見失うことなく、柔軟に対応していきたいと考えています。
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